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花の好きだった彼女の葬儀
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次の様なご質問をいただきました。(匿名の方ですので原文のままご紹介させていただきますm(__)m)


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頂いたご質問です


初めまして、私は花に携わる仕事をしているものです。つい最近最愛の友人をがんで亡くしました。その葬儀は彼女にはふさわしいものではありませんでした。がんと戦うのに必死で家族の方も葬儀の有様まで考えも及ばなかったことでしょう。


あんなに花の好きだった彼女の周りに置かれた花の心無かったことに悲しみが増す思いでした。こういう場にこそ亡き人を弔いご遺族をお慰めする花が必要なのではと思いました。


びっくりするような金額でなくてもできるはずです。そういう仕事をしていきたいと思いますがなかなか難しいと思いますがアドバイスを頂ければ嬉しいです。


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私からのお返事です


初めまして、21葬祭.com管理人なおとです。アンケートフォームへお書き込み頂いてどうもありがとうございます。お花に携わるお仕事をされておられるそうで、ご質問の中に「そういう仕事をしていきたい」とあり、確かになかなか難しいご質問ですがしっかりと読ませて頂きました。


最初はあなたさまに何かを感じて頂ける良いアドバイスが出来ればと無理に考え込んでしまいましたが、やはり自分らしく、私自身が感じている事をそのままお伝えさせて頂くことにしました。直接関係のないお話も多いとは思いますが、どうかご了承の程お願い申し上げます。




立場は違うかもしれませんが、私にも少なからずあなたさまとおなじ想いがあります。そしてあなたさまと私以外にも、この様な想いを持った方はたくさんおられます。


ただ、現実的な事として、お亡くなりになられる方のご家族は病院での付き添い、看病、それに加えてご自身のお仕事、子どもさんの世話など毎日が必死で、あなたさまもお書きのとおり、葬儀の有様まではとても考えが及びません。当事者の立場で考えれば無理もないでしょう。


誰にも悪気はありませんし、誰を責めることでもありません。みんなその時その時精一杯なのですから。


しかし、かけがえのない大切な友人が亡くなって駆けつけたところ、なんとも心のこもっていない形式だけの葬儀だったとしたら・・これでは友を失った悲しみばかりか、自分にとってかけがえのない友が大切に扱われていない情けなさ、悔しさ、怒りまでも覚えます。


この気持ちは、これをお読みのみなさんにもご理解頂けると思います。


この様な不本意な葬儀について申し上げます。


これは私たち葬祭に携わっている者の責任です。もちろんご遺族には責任はありません。


その葬祭業者が今まで行ってきた自社のやり方に何の疑問も持たず、ただ自社の都合で前例を踏襲するだけでは、はっきり言ってダメなのです。葬儀とは工場で機械的に流れ作業をやるのとは違います。業者主体ではなく故人主体のはずです。


極端な話、葬儀をしなくても物理的な問題はありません。なのになぜ、人は高いお金を払い、葬儀を執り行うのか。


それは、かけがえのない人に対する「大切な気持ち」があるからです。


だから心のない形式だけの葬儀は、故人を本当に大切に想う方の目には情けなく映り、心に悔いを残すのです。
(書くまでもない事ですが心のこもった葬儀と予算は関係ありません)


ただ、葬儀になじみのない一般の方は、故人を大切に想う気持ちはあっても、その人らしく見送るためにはどうしたら良いか?という具体的な方法がわかりません。


本当に何もわからない。まさに「わからない事が何なのか自体、わからない」状態です。その上、大切な人を亡くした直後ですので平常心でいられるはずもありません。


ですので、良かろうが悪かろうが、葬祭業者の言いなりにしてしまうのです。


だから私は、21葬祭.comを作って「現代のお葬式とは、依頼する業者の選択ですべてが決まる」と訴えているのです。


その人らしさは人それぞれ違います。だから私たち葬祭業者は、時間、段取り、コストなど、自社都合、やり方を押し付けるのではなく「その人らしく見送るためにはどうしたら良いか」という一番最初の部分からご遺族に精神的負担をかけない様に一緒に考え、決められた予算内で可能な具体的な方法をご遺族に提案しなければならないはずです。


もちろん大切な人を見送る葬儀の場にお花は欠かせません。


ただ、ご質問の中にある様にご遺族のお気持ちに携わる部分でお仕事をされたいのであれば、大切な人をこういう風に見送ってあげたい、ああいう風に見送ってあげたいという気持ちを形にするにはどうしたら良いかをご遺族に助言し、それを具体的に実現する技能を持った葬祭プロデューサー的な力が必要になります。


その理由の一つとして「人それぞれ価値観の違い」があります。自分が良いと思った物をご遺族も良いと思うとは限りません。それどころか葬儀ともなれば、ご遺族の中ですら意見がわかれます。その中でいろいろな提案をし、どなたにもカドを立てずに故人にふさわしい葬儀を実現しなければならないのです。


私は厚生労働省認定1級葬祭ディレクターですが、これは「社葬、一般葬などを問題なく遂行できる能力があるか」という点を重点的に計る国家認定資格にすぎません。


そうではなくて、生前のその人らしさ、大切な人を送るご遺族の気持ちを形として実現するための、「葬儀その物を企画できる力」が必要なのです。


全国的には少ないですが、その人らしい葬儀を企画する事を仕事にされておられる方は実際におられます。もちろんそれには知識と経験、実現するための技能が必要になります。


上記の様に難しく考えずとも、お花に携わる仕事をされておられるのならば、故人さまのお好きだったお花などを使い、あなたさまご自身で何か創られるのも素晴らしいと思います。


あなたさまの様に「こういう場にこそ亡き人を弔いご遺族をお慰めする花が必要なのでは」と自然に感じる事の出来るそのお心こそ、一番大切な物だと思います。


本当に気持ちを込めて創られた物からは、それを見る方にも大切な人を想う気持ちは伝わります。



一度きりの人生の中で出会えたかけがえのない大切な人の葬儀を、その人との最後の思い出にふさわしい物に出来る様、私も頑張りますね。


的を得ない回答しか出来ず、申し訳ございません。ご参考になりましたでしょうか?


ご質問、誠にありがとうございました。


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ご質問者さまよりお返事を頂きました


素人のつたない疑問にこれほど丁寧に対応していただき感謝しています。とても心に響き納得いたしました。


現実私の周りでも家族葬、密葬を考えている人が思っている以上に多くなっています。ブライダルの会場装飾、お店のディスプレイなど空間ディスプレイをやらせていただいておりますが喜びの花ももちろん必要ですが悲しみの花ももっと自由になるべきだと思います。


現場を知らない人間の無責任な意見ですが。私の今できることを少しでも良いので一歩づつやっていこうと思います。


大変なお仕事を心を込めてなさっている姿勢に感服するばかりです。どうぞ暑い中お体ご自愛ください。有難うございました。


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お返事ありがとうございます。


ご質問に答えさせて頂きながら、私自身いろいろな事をもう一度考えてみる良いきっかけになって、とても感謝しております。


この仕事はどれだけ経験を積んで慣れようとも、緊張しなくなったらダメですね。


葬祭業者にとっては日々の仕事でも、ご遺族にとっては生涯記憶に残る、たった一度きりの大切な儀式なのですから。








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